あべのハルカス 高さ日本一 ランドマーク 立体都市 近鉄百貨店

３月７日、高さ３００メートルの日本一の超高層複合ビル
「あべのハルカス」（大阪市阿倍野区）が全面開業した。


近畿日本鉄道が総額１３００億円を投じて建設した
大阪の新たなランドマークは百貨店やホテル、美術館、
展望台、オフィスなど様々な機能が詰まった「立体都市」に。


「キタ（梅田）」「ミナミ（なんば）」に次ぐ第３の街にそびえる
摩天楼からは関西一円はるか先まで見渡せるのだ。







「３、２、１、おめでとうございます！」。

午前１０時、強い日差しが差し込む最上階60階展望台で
テープカットが晴れやかに行われました。


目玉は全長３０００メートルの「日本一長いテープカット」です。


ハルカス展望台を拠点にホテルや美術館、隣接する
東急不動産のショッピングセンター「あべのキューズモール」
など全８カ所で一斉にテープが切られたのだ。

　
引き締まった表情で記念式典に臨んだ近鉄の小林哲也社長は

「ハードはできた。これからが本当の勝負だ。
日本一をＰＲしていきたい」と記者団に語った。


社運がかかる一大プロジェクトだけに、
発する言葉におのずと力がこもった。


山口昌紀会長は「今日が再出発のスタートラインだ。


平成の『通天閣』として愛されてほしい」と強調した。


近鉄百貨店の飯田圭児社長は

「ハルカスは大阪のランドマークだ。
幅広い客層の来店を期待している」と

笑顔を浮かべた。


初年度の来場者数は全館で約4740万人を見込んでいる。

　
「おお、すごいな！」「目くらむわ」。

正午すぎ、展望台「ハルカス３００」の６０階に
初の来場者約100人が足を踏み入れると、
あちこちから歓声が広がりました。


最前列はさいたま市から来た久保雅実さん（31）で
昨晩１０時半から並んだという。


久保さんは「東京スカイツリーも初日に展望台に登った。
東阪で初日に登れたのはうれしい」と笑顔で話した。

　
営業時間は通常、午前１０時から夜１０時まで。


近鉄各駅の営業所やファミリーマートでの予約のほか、
インターネットでも予約可能です。


３月いっぱいは登れるのは事前予約を取れた人だけ
４月以降は当日券も発売になる。

　
集客の核は、低層階に入る近鉄百の旗艦店
「あべのハルカス近鉄本店」です。


地下１階入口前などには約２００人が開店を待って
いたため、通常より３０分早い午前９時半に開業した。


年間来店客は４５００万人で、２０１５年２月期の総売上高は
１４５０億円を目指している。


同本店は広さ１０万平方メートルの国内最大級の売り場を
使って、得意の中高年女性だけでなく若い女性や家族客まで
全ての客層を取り込む考え。店内には２８００席のレストランと
１０００席のカフェ、７００席の休憩場所を設けるなど「時間消費」
を強く意識した店作りにしたのが特徴だ。

　
典型例が「縁活」なのだ。

店内８カ所の広場を地元ＮＰＯ法人などに開放し、来店者に
体験型のコンテンツを提供することで店と人をつなぐ試みです。


３月は親子でヨガを楽しめるほか、
自分で手拭いを染める体験もできる。

「来店したくなる仕掛けをつくり（体験を絡めた）
コト消費につなげる」（近鉄百の飯田社長）

　
上層階には関西初の「マリオット」ブランドの
高級ホテル「大阪マリオット都ホテル」が
午前10時に開業した。


７日の宿泊と５７階のレストランは全て予約で埋まった。


38～55階に360室を設け、
年間平均客室稼働率は80％を目指す。


55階に１室だけ用意した「インペリアルスイート」は
広さ162平方メートルです。

リビングルームは黄色を基調とした
欧州風の落ち着いた内装です。


４人まで泊まれて価格は１室１泊35万円
　（税・サービス料別、正規料金）。

　
中層階のオフィス部分には、関西電力やＮＴＴ西日本など
地元企業を中心に入居し、既に約９割が埋まった。


入居が完了すれば4000～5000人が働く見込みだ。

　
ハルカスは近鉄線とＪＲ線、大阪市営地下鉄線、
阪堺電車の鉄道４社・７路線が集まり、
１日７３万人が乗降する交通の要所である。


地下５階・地上60階、延べ床面積30万６千平方メートルで
阪神甲子園球場の約８個分の広さがある。


近鉄は広大な面積を地上ではなく空に求めたのだ。


ハルカスの名称は、「人の心を晴れ晴れさせる」を意味する
古語「晴るかす」に由来するという。


来訪者に驚きと感動を与える大阪の
新たな観光スポットとして輝きを放ち始めました。

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