料理写真 撮影禁止 画像著作権 [話題]
飲食店の料理をスマホで撮影して、その写真を
ツイッターやフェイスブックなどSNSに投稿する。
いまや、そんな行為もおなじみになった。
しかし、こうした客の行為を「フード・ポルノ」と
呼んで、批判する声があるようだ。
AFP 通信などによると、『ミシュラン』で紹介される
ようなフランス料理の高級レストランの中には、
SNSへの投稿を阻止するため、写真を撮影禁止に
した店がある という。
その理由は、
「ソーシャルに共有されると、料理を見ても、
だれも驚かなくなる」
「だれかに料理をマネされるかもしれない」と
いったものだ。
「SNS での共有は宣伝になる」と前向きに
とらえる声がある一方で、客が勝手にSNS投稿する
のはうんざりだと感じているシェフは少なくないようだ。
では、そもそ もレストラン側には、
客が料理を撮影したり、SNSへ
投稿する行為を拒否する権利は
ないのだろうか。
日本ではどうなのか。
桑野雄一郎弁護士に聞いてみた。
<美しい料理は「著作物」といえるの?>
「まず、料理を著作物と考え、写真の撮影やSNSでの
共有を『著作権侵害』ととらえることが、考えられます」
著作権法にくわしい桑野弁護士はこう説明する。
著作権というと、小説や音楽、映画といった作品が
頭に浮かぶが、料理もそれによって保護されると
いうことだろうか。
「たしかに、器に美しく盛り付けられた料理について、
著作物と考える余地はあります。しかし、著作権法で
保護されるためには著作物性(創作性)が必要ですが、
そのハードルは高いでしょうね。また、従来、店の出す
料理が著作物だという理解はされてこなかったと
思います。ですから、ここで著作権を持ち出すのは、
空理空論の感は否めません」
どうやら、著作権法で保護される可能性はあるものの、
実際に裁判で認められるかといえば厳しいようだ。
そこで、桑野弁護士は、別の観点から
次のように言及する。
「料理の著作権のほかに考えられるのは、
飲食店の管理権です。店は、客の店舗の利用に
ついて、一定のルールを定める権利があります。
たとえば、ドレスコードや禁煙ルールです。料理の
撮影についても、この管理権に基づいて、
禁止することは可能でしょう」
<撮影を禁止したいなら、事前に告知した方がよい>
だが、客がもし何も知らされていなかったとしたら、
何気なく、写真を撮ってしまうことも多いだろう。
写真を撮影してしまったあとで、
「その写真は削除してください」と言われたら、
客も気分を害するのではないか。
「たとえば、禁煙については、事前に知らされて
いなかった客との間で、トラブルとなることもありました。
したがって、撮影禁止も、店が事前に告知する方がよいと
思います。事前にきちんと告知し、客もそれを了解した
うえで来店した場合には、撮影禁止は契約内容といえます。
そうなれば、契約上の義務の履行として、写真撮影を
禁止することも可能となります」
具体的な対処法としては、あらかじめ、メニューに
「料理の撮影はお断りさせていただいています」といった
メッセージを記載しておくことなどが考えられるだろう。
もしそのルールにしたがうのが嫌ならば、
客は料理を注文する前に席を立てばいいわけだ。
「もっとも、食事の席では、このような無粋な法律論は
ふさわしくないですよね。できれば、店にも他のお客さん
にも迷惑をかけないで、できたてのおいしい料理を
いただいて、気持ちよく食事を楽しみたいものです。
本来、そのためにレストランに行くのですから」
ツイッターやフェイスブックなどSNSに投稿する。
いまや、そんな行為もおなじみになった。
しかし、こうした客の行為を「フード・ポルノ」と
呼んで、批判する声があるようだ。
AFP 通信などによると、『ミシュラン』で紹介される
ようなフランス料理の高級レストランの中には、
SNSへの投稿を阻止するため、写真を撮影禁止に
した店がある という。
その理由は、
「ソーシャルに共有されると、料理を見ても、
だれも驚かなくなる」
「だれかに料理をマネされるかもしれない」と
いったものだ。
「SNS での共有は宣伝になる」と前向きに
とらえる声がある一方で、客が勝手にSNS投稿する
のはうんざりだと感じているシェフは少なくないようだ。
では、そもそ もレストラン側には、
客が料理を撮影したり、SNSへ
投稿する行為を拒否する権利は
ないのだろうか。
日本ではどうなのか。
桑野雄一郎弁護士に聞いてみた。
<美しい料理は「著作物」といえるの?>
「まず、料理を著作物と考え、写真の撮影やSNSでの
共有を『著作権侵害』ととらえることが、考えられます」
著作権法にくわしい桑野弁護士はこう説明する。
著作権というと、小説や音楽、映画といった作品が
頭に浮かぶが、料理もそれによって保護されると
いうことだろうか。
「たしかに、器に美しく盛り付けられた料理について、
著作物と考える余地はあります。しかし、著作権法で
保護されるためには著作物性(創作性)が必要ですが、
そのハードルは高いでしょうね。また、従来、店の出す
料理が著作物だという理解はされてこなかったと
思います。ですから、ここで著作権を持ち出すのは、
空理空論の感は否めません」
どうやら、著作権法で保護される可能性はあるものの、
実際に裁判で認められるかといえば厳しいようだ。
そこで、桑野弁護士は、別の観点から
次のように言及する。
「料理の著作権のほかに考えられるのは、
飲食店の管理権です。店は、客の店舗の利用に
ついて、一定のルールを定める権利があります。
たとえば、ドレスコードや禁煙ルールです。料理の
撮影についても、この管理権に基づいて、
禁止することは可能でしょう」
<撮影を禁止したいなら、事前に告知した方がよい>
だが、客がもし何も知らされていなかったとしたら、
何気なく、写真を撮ってしまうことも多いだろう。
写真を撮影してしまったあとで、
「その写真は削除してください」と言われたら、
客も気分を害するのではないか。
「たとえば、禁煙については、事前に知らされて
いなかった客との間で、トラブルとなることもありました。
したがって、撮影禁止も、店が事前に告知する方がよいと
思います。事前にきちんと告知し、客もそれを了解した
うえで来店した場合には、撮影禁止は契約内容といえます。
そうなれば、契約上の義務の履行として、写真撮影を
禁止することも可能となります」
具体的な対処法としては、あらかじめ、メニューに
「料理の撮影はお断りさせていただいています」といった
メッセージを記載しておくことなどが考えられるだろう。
もしそのルールにしたがうのが嫌ならば、
客は料理を注文する前に席を立てばいいわけだ。
「もっとも、食事の席では、このような無粋な法律論は
ふさわしくないですよね。できれば、店にも他のお客さん
にも迷惑をかけないで、できたてのおいしい料理を
いただいて、気持ちよく食事を楽しみたいものです。
本来、そのためにレストランに行くのですから」
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